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雇用調整助成金の収益計上時期について

2020/7/31

新型コロナウイルスの影響により売上が減少した法人は,国等から各種給付金等の受給を受けているケースが多いと思います。これらの給付金等の中でも特に雇用調整助成金については,法人税の計算上,収益計上時期に注意が必要です。

■ 収益計上時期

雇用調整助成金は,その給付の原因となる休業の事実があった日の属する事業年度の益金の額に算入することとされています。

たとえば、4月決算法人の場合、4月の休業に対応する雇用調整助成金は当期の決算で未収計上が必要ということになります。雇用調整助成金は支給決定まで時間がかかるので,申告期限までに支給決定の通知が届かない可能性が高く、具体的に支給金額が確定していなくても,金額を見積もって未収計上を行う必要がある点に注意が必要です。

■ 理由

雇用調整助成金の収益計上時期については、法人税基本通達2-1-42に記載されています。

【法人税基本通達2-1-42】

法人の支出する休業手当、賃金、職業訓練費等の経費を補てんするために雇用保険法、雇用対策法、障害者の雇用の促進等に関する法律等の法令の規定等に基づき交付を受ける給付金等については、その給付の原因となった休業、就業、職業訓練等の事実があった日の属する事業年度終了の日においてその交付を受けるべき金額が具体的に確定していない場合であっても、その金額を見積り、当該事業年度の益金の額に算入するものとする。

(注) 法人が定年の延長、高齢者及び身体障害者の雇用等の雇用の改善を図ったこと等によりこれらの法令の規定等に基づき交付を受ける奨励金等の額については、その支給決定があった日の属する事業年度の益金の額に算入する。

 

この通達から、雇用調整助成金については、実際に入金があった日や支給決定通知書が届いた日に収入を計上するのではなく、この助成金の支給となる原因があった日に収入を計上することになります。