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インボイス 免税事業者取引と独禁法・下請法のQ&A公表

2022/1/30

財務省や公正取引委員会等は1月19日,同省等のウェブサイトに「免税事業者及びその取引先のインボイス制度への対応に関するQ&A」を公表しました。

消費税のインボイス制度導入による事業者取引の影響への対応として,同Q&Aの“案”が自民党税制調査会等で示されていましたが,その内容に特段の変更はないと考えられます。

インボイス制度を契機に行う免税事業者との取引条件の見直し等に係る独占禁止法や下請法,建設業法における考え方等と,その相談窓口が示されています。

令和5年10月より始まる消費税のインボイス制度。免税事業者からの仕入れには仕入税額控除が制限されるため(簡易課税制度の選択事業者は除く),買手が消費税相当額を仕入先に支払わないことや,仕入先に課税事業者への転換を求めたにも関わらず取引価格を据え置くことなどを懸念する声もあります。

しかし,そうした買手の行為は独占禁止法や下請法,建設業法で問題となることがあり,今回,免税事業者との取引に係る独占禁止法や下請法等の考え方等がQ&A形式で示されました。

併せて,下請法等に関する公正取引委員会や中小企業庁等の相談窓口も案内されています。https://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/consumption/20220119menzeiqa_2.pdf

独占禁止法は,取引上優越する地位を利用し相手方に不当に不利益を与える「優越的地位の濫用」といった,不公正な取引方法等を禁止する法律です。

下請法は,独占禁止法の“補完法”として,下請事業者に対する親事業者の不当な取扱いを規制しています。

例えば,「下請事業者に責任がないのに発注時に定めた下請代金を減額すること」,「著しく低い下請代金に不当に定めること」などが下請法で禁止されており,免税事業者との取引対応によっては,こうした禁止行為に該当し,下請法等に違反することがあります。その場合,独占禁止法に基づく課徴金の賦課等や,下請法に基づく企業名等の公表等の措置を受けるおそれがありますので注意が必要です。